FC今治グッズにチャレンジと想いをのせて世界中にスマイルを ♯FC今治、今治.夢スポーツが取り組むSDGs
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FC今治グッズにチャレンジと想いをのせて世界中にスマイルを ♯FC今治、今治.夢スポーツが取り組むSDGs

FC今治

2020シーズンから登場した『手織りコースター』、2021シーズンに加わった『手織りティッシュケース』『水引マスクチャーム』。これらのグッズは、障がい者21人が働く伊予銀行の特例子会社、株式会社いよぎんChallenge&Smileとのコラボグッズです。SDGsゴール8「働きがいも経済成長も」の実現に向け、SDGsグッズとして販売されています。グッズ製作に携わった社長の石川克久さん、管理者の東弥生さん、すまいるスタッフ※の方々に、製作時の苦労や喜び、FC今治コラボへの想いを伺いました。

※いよぎんChallenge&Smileでは、障がいのあるスタッフを「すまいるスタッフ」と呼んでいます。

障がい者雇用とエコでSDGsに取り組む「いよぎんChallenge&Smile」

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▲石川社長

――FC今治とのコラボのきっかけを教えてください

石川社長:伊予銀行がFC今治さんをサポートさせていただいている関係で、グッズ担当の池村さんと2020年の8月に顔合わせをさせていただきました。弊社の「障がい者雇用を通じて障がいのある方の自立と働きがいを助ける」取り組みに共感いただき、「何かコラボできませんか?」とお声がけいただいたのが始まりです。

FC今治さんとのコラボということでしたら、弊社の商品に今治タオルの残糸(タオルを作る工程で出る残り糸)を使って製作している手織りコースターがありますとお伝えしたところ、その製品にも共感いただきまして、コラボ第1弾はその手織りコースターでグッズ製作に取り組むことになりました。

――タオルの残糸を使うのは珍しいと思うのですが、なぜ残糸を使っていたのでしょうか?

石川社長:弊社は、2014年に障がい者雇用の専門部門として伊予銀行人事部内に開設された「いよぎんちゃれすま工房」を前身とし、2018年4月に設立。同6月に障がい者雇用に特化・配慮した特例子会社の認定を受けました。

工房開設当時は木工作業を柱として、伊予銀行のオリジナルグッズなどを製作していたのですが、もうひとつ柱を作ろうということで、織物作業を導入しました。というのも、すまいるスタッフは、知的障がいのある人がほとんどで、特別支援学校の卒業生が多いんです。特別支援学校では木工作業と織物作業の実習がありますので、そのふたつであれば学校の延長で仕事ができるからです。

織物作業には当然糸を使いますが、伊予銀行の取引先には今治のタオル会社も多くいらっしゃいます。そうしたタオル会社で出る残糸を再利用できないかと考えたのです。木工作業にも県産の間伐材を使用していますから、これも木の再利用です。障がい者雇用という社会貢献もするし、エコや再利用を文化としてSDGsに取り組む会社でありたい。そうした想いで、本来廃棄されてしまう残糸を活用しています。

互いにエールを送り合いながらコラボした2020シーズン

――コラボグッズのデザインはどのように決められたのでしょうか?

石川社長:第1弾となるコースターのデザインは、池村さんと相談しながら決めていきました。これまで弊社で作っていたコースターは、わりとカラフルなものが多かったのですが、FC今治さん用のコースターは、ユニフォームと同じく青を基調としたボーダー柄のデザインに仕上げました。FC今治さんのタグをつけると一段とかっこよく、チームカラーにマッチしたコースターになりました。

▲2020シーズンに登場した第1弾のコースター

製作現場では、織物管理者の東とすまいるスタッフが作業にあたりました。今回のグッズに関わらず、すまいるスタッフは、糸取りをする人、縦糸を通す人、織っていく人……など役割が決まっていますし、いろいろな工程ができるようにもなっています。まだ織るスキルがないスタッフは、糸くずを取ったり、包装を担当したりするなど、その人の個性や能力に応じて作業を担当してもらっています。

織る機械はすべて手動です。手織りの温かさに加えて包装の丁寧さにもこだわり、商品を袋詰めする際は、コースター端のフリンジ部分が重ならず乱れがないよう丁寧に袋詰めしていきます。袋から1度出すと、僕らが戻そうとしても戻せないほど、すまいるスタッフの仕事は丁寧で美しいものです。

完成したコースターは、私たちから選手の皆さまへの応援メッセージを添えて納めさせていただきました。2020年12月9日にホームゲーム会場で販売していただいた際には、選手の皆さんから私たちへ「いよぎんChallenge&Smileを応援しています」とメッセージをいただき、スタッフ一同大変喜びました。そんなふうにお互いにエールを送り合いながらコラボしたというのが2020シーズンでした。ありがたいことにコースターの売れ行きも良好とのことで、2021シーズンもコラボ第2弾のお話をいただきました。

FC今治のタオルマフラー残糸100%でチャレンジした2021シーズン

――手織りコースターは1年目に続き2年目でも販売されていますが、何か変更点はあるのでしょうか?

石川社長:2年目は、池村さんから「今治タオルの残糸100%でできませんか」と提案がありました。FC今治のタオルマフラーを作っているのが今治タオルメーカーの株式会社藤高さんで、そのタオルマフラーを編んだ残糸100%でコースターを作れないか、ということだったんです。

通常私たちが作るコースターは、残糸100%の商品ではありません。経糸にはしっかりした糸を使い、緯糸のみに残糸を使っています。1年目のFC今治さん用のコースターもそうでした。織るときはまず縦に糸を通しておいて、次に横に糸を入れていくので、経糸はしっかりした糸でなければ強度が出ないためです。

ですから、最初に池村さんからご提案いただいたときは、残糸100%だと強度や手触り感の問題で難しいとお答えしていました。代わりに、手織りのティッシュケースであれば、内側に当て布を入れて補強ができるので残糸100%でも強度が出ますとお話させていただきました。そうしたやりとりを重ねながら、とにかくやってみましょうということで、コースターとティッシュケースの両方の製作にチャレンジすることになりました。

――残糸100%のグッズ制作に当たり、どのような苦労や工夫をされましたか?

東さん:今回の取り組みは、私たちにとってもチャレンジでした。私は織物管理者の2代目なのですが、先輩からは「経糸に残糸は無理よ」と言われていました。それでも、みんなの技術も向上しているのでやってみようと始めさせていただきました。

強度への対策として、糸の本数を増やして工夫しました。最終的には、経糸1本に16本の残糸を使いました。その糸に緩みがあると織りに影響してきますので、緩まないように引っ張りながら巻く工夫もしました。実際、現場のすまいるスタッフはかなり苦労し、ちょっと嫌になりながらも粘り強く作業を続けてくれました。

石川社長:だって教えられたことと違うことをやったわけですからね。「経糸には残糸を使わないよ」と教えられていたなかで、今度は「経糸も残糸でやりなさい」と言うんですから、混乱しますよね。

東さん:すまいるスタッフは、慣れたことはどんどんできるのですが、新しいことに対しては苦手意識があります。こちら側にもできるかなという心配もありますので、その心配も伝わってしまっていたかもしれませんね。

ティッシュケースにしても、残糸100%で作るのは初めての試みでしたので、何度も試作を重ねました。厚みはどうするかで緯糸の本数を決めたり、デザインをどうするかでチームカラーの青・黄・白の比率を教えていただいたり。偶数にするという織物のルールがあるので、その辺りはこちらで配分させていただきながら、池村さんと相談して進めていきました。

▲試作品の数々

石川社長:すまいるスタッフのみんなが頑張ってくれたおかげで、心配だった強度も手触り感も納得のいく商品ができました。残糸100%でコースターやティッシュケースを作っているのはFC今治さんのグッズだけです。普段はやりません。大変ですから(笑)。これがコラボ1年目だったら、難しかったと思います。FC今治さんとの関係性ができていた2年目でしたのでチャレンジさせていただきました。私たちにとっても、今まではできないと思っていたことにチャレンジして実際にできたわけですから、今回の苦労は喜びでもありました。

前田幸子さん :(コースターの糸取りから織り・袋入れ、ティッシュケースの糸取りから織りを担当)
普段の糸とは違って100%残糸なので、綜絖通し(経糸をセッティングしていくこと)のときに間違えたこともありました。糸が切れたりもつれたりして大変だったけど、できたときはうれしかったです。いろいろと勉強になりました。

大野恵莉子さん:(コースターの糸取りから織り・縫製、ティッシュケースの袋入れ、水引マスクチャームの結びを担当)
糸取りするときに、糸の張り合いに気をつけながら切れないように作業することが難しかったです。織るときも難しかったです。残糸なので、1本じゃなくて16本を束ねるているので、バラバラしているものをひとつにまとめていくのに苦労しました。コースターは必要な枚数を織りきって達成感がありました。

東さん:おふたりが青と黄色のコースターを両方を製作してくれました。前田さんはティッシュケースも製作してくれました。中にはどうしてもB級品があったりしますし、織物を作る際は、糸を継ぐので継ぎ目ができてしまいます。購入してくださった方に「これ何?」と思われてしまってはいけませんから、商品にするものは糸継ぎのないものを選び、少し余分に織るなどして数が足りるかハラハラしながらも頑張りましたね。

試作期間も合わせると、2カ月をかけてFC今治さんのお仕事をさせていただき、コースター50セット、ティッシュカバー25セットを納品させていただきました。

障がい者の個性を生かし、伝統技術を伝承する「伝福連携」

石川社長:2021シーズンはもうひとつ、水引マスクチャームもコラボさせていただきました。

水引細工は四国中央市の伝統工芸品で、今年の春先から私たちの工房でも製作に取り組んでいます。今回は、FC今治さんのチームカラー3色を使ってオリジナルの水引マスクチャームをご提案させていただきました。こちらも30セット納品し、10月24日のホームゲームで販売していただきました。

私たちの工房では、水引のほかにも同じく愛媛の伝統工芸品・姫手まりの製作にも取り組んでいます。こうした伝統工芸は後継者が減り、伝統技術が途絶えてしまう課題があります。障がい者が農業に従事する「農福連携」はよく聞きますが、「伝福連携」は障がい者が伝統工芸に携わりその担い手になっていくというもの。水引も姫手まりも、それぞれの分野の専門の方に「後継者が増えていく、技術を伝承してくれるのはうれしい」と評価いただいています。

見ていただくとわかりますけど、すまいるスタッフの技術はプロ級ですよ。1度教えたら同じような作業を反復して粘り強く集中してやる、というのが知的障がいのある人の特徴であり、個性です。彼らの個性と伝統工芸の手作業が非常にマッチしているのだと思います。

吉丸宗汰さん:(水引マスクチャームの結びを担当)
僕の作った水引が、選手やサポーターのお守りになったらいいなと思いながら作りました。実際につけてくれているのを見ると、水引がお守りに見えました。

自分たちの仕事が誰かの、社会の役に立っていることを実感できた

――FC今治とコラボした感想や、コラボで起きた変化を教えてください

石川社長:コラボの打ち合わせをしているなかで、FC今治さんが私たちを10月24日のホームゲームに招待してくださったんです。試合を観戦してとても楽しかったですし、すまいるスタッフのなかには「試合に勝って感動しました」「選手の方が頑張っている姿を見て、私も頑張ろうと思いました」と話すメンバーもいました。自分たちが選手に応援メッセージを書いたり、選手たちに応援メッセージをもらったりしたので、自然と感情移入し、応援する気持ちが芽生えたのだと思います。

▲10月24日のカターレ富山戦は4-2でFC今治が快勝した

コラボグッズの販売ブースも見に行きました。通常の私たちの商品は、道の駅やホテルなど県内20カ所で販売しているのですが、すまいるスタッフが売り場を見ることはありません。今回のようにFC今治さんで、実際に自分たちの作った商品が売られているところや、お客さんに買ってもらうところを見たり、FC今治の選手からメッセージが届いたりして、自分たちの仕事が誰かの、そして社会の役に立っていることを実感できたと思うんです。他の仕事以上にね。労働の対価として給料を手にすることも喜びですが、ものづくりを通して自分たちの仕事が社会に貢献できている実感は、作り手の大きな喜びになります。働きがいにもつながります。

特にマスクチャームは会場で身につけている人もいて、みんなで喜びました。ひとりでも多くの人にすまいるスタッフの製品を使っていただきたいですね。

それぞれの個性が発揮され、活躍できる選択肢を増やしたい

石川社長:現在、障がい者雇用の国のルールとして、民間の障がい者雇用率は2.3%、従業員を43.5人以上雇用している事業主は障がい者をひとり以上雇用することが義務づけられています。国が障がい者の就労支援に力を入れているとはいえ、障がいのある人にとっては就職先が見つからない、就労につけても組織にひとりポンと入るのでは定着できないケースも多くあります。一方、弊社のような特例子会社ですと、障がい者雇用に特化し、専門の施設を構え、専門のスタッフがいます。実際のところ、すまいるスタッフは一人ひとりがものづくりに誇りをもって取り組んでおり、設立当初から誰ひとりと欠けておりません。県内には特例子会社がまだ7社しかありませんから、もっと多くの企業にこうした会社をつくってもらいたいですね。

知的障がいのある人は、一人ひとりに個性があり、話すことが得意でない人もいます。その反面、手先が器用だったり集中力があったりします。それぞれの個性や特性のある人が、自分の能力を発揮でき、働きがいのある場を選択できるといいですよね。その選択肢を増やしたい。そんな想いで私たちは活動しています。

弊社には「ちゃれすま宣言」というのがあります。そのなかに「苦手なことにも積極的にもチャレンジします」「世界中にスマイルが届く商品づくりに努めます」というのがあり、社名の由来にもなっているのですが、サッカースタジアムというのは地域のいろいろな人が来ますし、もしかしたら外国人の方も来るかもしれません。

今回のコラボでは、FC今治さんからいただいたオーダーに、みんなで苦労しながらもチャレンジして応えることができました。まさに「苦手なことにもチャレンジし」「世界中にスマイルが届く」商品づくりをさせていただきました。すまいるスタッフ一人ひとりの自信になり、可能性も広がったと思います。今後もいろいろな企業さんともコラボさせていただきたいですし、そのためにも弊社を知っていただく必要があります。伊予銀行の特例子会社といっても、まだまだ私たちの認知度は高くありません。

FC今治さんには、きっと来シーズンもコラボのお声がけをいただけると信じています。次回はどんなコラボができるか、今から楽しみです。いよぎんChallenge&Smileのチャレンジと想いをFC今治グッズにのせて、サッカーファンの人、世界中の人にスマイルをお届けできればうれしいです。

取材・文/高橋陽子

いよぎんChallenge&Smile×FC今治コラボグッズは公式WEBショップにて販売中です!
FC今治公式WEBショップ
https://fisc.fcimabari.com/ec/


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