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心豊かになる交流拠点に【中編】岡田武史 #里山スタジアム誕生へ


当社代表取締役会長の岡田武史に里山スタジアムにかける思いを聞きました(全3回)。中編の今回は、「里山スタジアム」の具体的な設備やコロナ禍を経たスタジアムのニーズの変化、「里山スタジアム」と市民の関わりについて話してもらいました。

Q:「里山スタジアム」には具体的にどんな施設が完備されますか?

コンテナのボックス席を、宿泊もできるVIPルームに

ひとつの例として、特別な観覧席となるボックス席をコンテナにして、そこをコテージ代わりに宿泊できるようにしたいと思っているんですよ。この場所は車で来る人が多い場所ですからね、アルコールを飲んだら帰れない。でもここなら「泊まれるし、アルコールも飲める!」となる。アルコールが飲めるかどうかで、人ってだいぶ気持ちの面で違ってくると思うんですよ(笑)。宿泊施設があることを、滞在する人の根拠にしたいんです。さらにこのコンテナはね、サッカーのゲーム中は室内の反対側の窓を開けると試合が観戦できるVIPルームになるようにしたいと思っているんです。
もうひとつは現実的な話なんですが、可動式のコンテナというのは償却が4年か5年なんですよね。設置型にしたら20年とかになるんですが。今治にはそういう短期の償却を喜ばれる方々がおられるのですよ。そういうちょっとした下心もあって(笑)、コンテナを建てようかと思っているんです。

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カフェなどの飲食店もオープン予定。

「里山スタジアム」には常時カフェなどの飲食店もオープン予定なのですが、その中でも何か目玉となる「食」がほしいなと思っていて。今治に関連がある食を提供できる人を東京で当たっているのですが、やはりいきなりレストランはリスクが大きいと言われます。ただ、ハンバーガーショップのような軽いのならとも言ってくれている人もいます。
ほかにも、オープンキッチンを設けて今治中の飲食店さんに「月に1回でいいから、そこで飲食を提供してくれませんか?」と声を掛けしようと思っているのですよ。今治の人たちに「今日はここの飲食店が出店します!」と言えたら、なんだか楽しいでしょう? そうやって交代で営業しながら交流できる場が作れたらいいなと思っています。

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Q:コロナ禍を経て、スタジアムに求められるニーズは変わっていくと思いますか?

スタジアムでリアルとバーチャルが融合するようになる

これがね、先が分からないんです。よく話すのですが、ニーズは多様化していくと思うんですよね。野球の福岡ソフトバンクホークスがね、コロナ禍の最初の頃に360度カメラで撮影して、VRで見られる放送をしたんです。そしたらすごく反響があって。試合をVRで見ていたら、360度自分の好きな角度から見られるわけですよ。上からも見られるしね。「俺こっちのほうがいい! 渋滞もなくて家で見られて快適だし」という人が絶対出てくるわけですよ。でも一方で「いや、俺は球場でリアルに応援したい」という人も出てくる。だからいろんなニーズに応えていかなくちゃいけなくなるんだろうなと。テクノロジーの進化とともに変わってくる。それが進むと「あのピッチャー、今カーブ投げたから打たれたけど、実はいいフォークを持っている。だからフォーク投げさせたらどうや?」とデータを入れてみたら3振になった、ということが起こるようになる。つまりリアルとバーチャルが被ってくるようになるんです。

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今、現実的には「NFT」(=ブロックチェーンの技術のひとつ)を使って、「DeNA」がバスケットの試合でやったことがあるんです。それはリアルな試合会場に来て、こっちのチームから5名選んで、対戦相手をネット上から5名選んで、試合を見ながら自分で選んだ5名の成績で戦うっていう、リアルとバーチャルを同時で行うようなことが起きはじめているんです。「NFT」はブロックチェーンを使って安全性を担保しているんだけど、それに対してお金を課金するようなことがこれから起こってくると思うんですよ。だから先はなかなか読めないんだけど、必ず多様化してくると。それに応えていくスタジアムじゃないといけないと思っているんです。「建物が出来たら、これで変わりません」じゃダメだと。

ニーズに対応できるように可変性のあるスタジアムを目指す

「里山スタジアム」は可変性であることを、とても大事にしているんです。だからこそ、そんなにコンクリートで作り込んでいない。どうなるか分からない中で、作り込みすぎていたらマズイと思っていて。変わっていけるスタジアムにしています。

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正直、これからお客さんがどういう行動になるか、まだ分からない。見えない。このコロナだって今後どうなっていくのか分からない。ただ確実に今と同じではなくなる、と思っています。だから僕は実のところ、10,000人のスタジアムはいらないのかもとさえ思っているんですよ。この場所に来てリアルに見てくれる人は、みんなちょっと金額が高い密を避けるボックス席で少人数でもいいんじゃないかと。それ以外の人たちはみんなVRで課金しながら見て、その代わりそれが10万人にも20万人にも届く。収入もそういう形態になっていくかもしれない。それに沿った、可変性のあるスタジアムにしていかなくちゃいけないと思っています。

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Q:「里山スタジアム」は今治市民に受け入れられると思いますか?

「ありがたい」と思ってもらえるものがあれば大丈夫

最初、夢スタを作ったときに市民のみなさんにね「こんな不便なところにスタジアムなんか作ってどうするんや!」と言われたことがあるんですよ。でも僕は全然そんなことは気にしていなくて(笑)。今治には今治の、あの場所にあるからこそ良いこともあると思ったんです。お年寄りの方はバスに乗って来て、または家族がお弁当を持って遠くから歩いてきたりね。たとえば浦和レッズの「埼玉スタジアム2002」ってものすごく不便な場所にあるんですよ。駐車場もあまりないし、駅からもかなり歩くし。でもそうすると、だいぶ遠くからカップルや家族がワイワイ楽しそうに話しながら歩いてくるんですよ。「この姿だ!」と僕は思うんです。松本山雅FCのスタジアムなんかもそうですよね。みんな田んぼの間を自転車に乗って集まってきたりするんですよ。うちはうちらしくていい。それは何かというと、ここに行きたいと思わせる何かがあること。それはつまり「ありがたい」と思ってもらえるものがあるかどうかなんですよ。

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今の夢スタも階段が結構あるでしょう?「こんな階段、お年寄りが上がれるわけがない!」とみんな言ってたんですよ、最初はね。でも大丈夫だったでしょ? だって、お寺とか神社だってお年寄りがみんな階段を上がって行っているんですから(笑)。上にありがたいものがあれば、上がるんですよ。大切なのは、そこに行く過程も含めて楽しんでもらうこと。その過程には、道中が楽しみになる出店があってもいいかもしれないですね。ここに「ありがたいものがある」と思ってもらえるようにすれば、みんな週末にここに来ることが楽しみになるでしょう。

誰もができるスポーツや芸術を体験できる場に

今考えているのは、誰でもができる「ゆるスポーツ」や「ゆる音楽」、「ゆる芸術」があってもいいんじゃないかなと。駅ピアノみたいなものも考えているんですが、何もトップレベルの素晴らしい音楽だけがすべてじゃないと思うんです。誰でもがピアノを弾いたりできるような仕掛けがあってもいいし、誰でもが絵を描いてそれをスクリーンに投影して絵が動き出すような仕掛けがあっても面白い。そういうものをここで作って、みんなが365日ここに集まってくるような場所にできないかなと思っていて。単にサッカーの試合があるだけではなくてね。そういうものを目指しています。

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送迎付きの教育やeスポーツの拠点にしても面白い

里山エリアでは、スタジアムの中と外とをどう使い分けるのかを、今考えているところです。中を使う分には、たとえばいろんな塾に「里山スタジアム」の中に入居してもらうようなこともいいかなと。東京の「ウィズダムアカデミー」がやっているような、僕たちが家まで子供たちをバスで迎えに行って、スタジアムの複数ある塾の中から好きな塾に通わせて、最後まできちんと送り届けますよ、というようなことはどうかなと妄想中です。お母さんが仕事で家にいない間は、時間までしっかり預かりますよ、という教育面でのフォローができないかなと思っています。

ほかにも今、思いついているのは「eスポーツ」と呼ばれるゲームが楽しめる場所ですね。ゲームというのは障がいがある人から、おじいちゃんやおばあちゃん、子供まで、みんながフェアにできるわけですよね。みんながやって楽しめて、みんなが見ても楽しめる。そういうゲームをいくつか選んで、ここへ来てゲームを通じたコミュニケーションを楽しめるような場所にしても面白いんじゃないかなと思っているんです。「ゲームって依存症があるじゃないか」と言われるんですけれど「だったら逆に依存症にならない仕組みを作ったらいい」と思っていて。ここのVIPルームを、そういったゲームから配信までをできるような場所にしたら面白いかもと妄想していて……。でもこの妄想、日々僕は変わっていきますからね(笑)。どうなるかは楽しみにしていてください。

取材・文/村上亜耶

前編、後編は以下よりご覧になれます。

里山スタジアムについての想いを綴ったマガジンはこちら




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